みらいグロースを実践していただいた小学4年生の男の子のお母さまにインタビューをさせていただきました。

 

●どんなお子さんでしたか?

保育園の時代から、お友だちに「入れて」と言えず、輪に入れない子でした。お友だちが遊んでいる外をうろうろして遠巻きに見ているような感じでした。

小学4年生になった今は、積極性には欠けるものの正義感が妙に強く、ルールを守らないことに対しては人に厳しく、ついきつい口調でそれを指摘してしまうところがあり、それがもとでトラブルになることが多々あります。

学校でイライラしたことがあると、家で感情をむき出しになって家族を叩いたり、モノに当たったりすることもありました。イライラしたものを解消できなく、授業にも参加できなかったり、不登校になったりしました。

 

●それは、お母さまとしても心配でしたね。

今の子どもたちは、気もちにつながる言葉の使い方が雑になっていると思います。「こういう言葉を使ったら相手は嫌な思いをする」ということを理解できていないままに、はやっているからという理由で、言葉を乱用していますよね…。

同時に、社会性も培われにくい環境にあると思います。例えば、昔だったら、知らないおじさんから怒られていることもありましたが、今、知らないおじさんから怒られることはないです。不審者扱いされたりしてしまいますから・・・。私自身、一年生の子に話しかけたら、そそくさと立ち去られてしまうという経験がありました。

社会風潮が「家族」以外の他の人たちを遮断しているのではないかと。子どもたちはそういうところに敏感で閉塞感を感じているのではないかと思います。

 

●みらいグロースを受けたきっかけは何でしたか?

通っている放課後等デイサービスで知ったのがきっかけです。一対一で、先生と授業形式でやっていただきました。週に1回、3カ月間、受講させていただきました。

 

●みらいグロースを受けた当初、どのような感じでしたか?

4年生になった4月5月は、投げやりな態度も多くみられ「僕なんかいらないんでしょ」なんていう言葉もありました。そんな中、みらいグロースを受講開始しました。

当初は、みらいグロースの「気持ち」の勉強をするというプログラムに対し、この子には難しいかな…と思っていました。気もちがすさんでいる子が、毎週きちんと見て、授業を受けられるのかな、という心配もありました。

思った通り、最初のころは「楽しくない」という感じだったようですが、3回目4回目になり、嫌がらなくなってきた、とういう報告を受けています。

 

●息子さんの中で、何かを感じた部分があったのでしょうか?

おそらく自分の中でも「これって自分に必要なスキルではないか?」と直感的に感じたのではないかと思います。回数を重ねるごとに、すごく集中して取り組んでいた、というのを聞いて、私も驚きました。

例えば、毎回のトレーニングの後に簡単なアンケートのようなテストがあるのですが、その時も「自分にはやることができないけど、でも(みらいグロースが)言っていることは分かった」と、自分自身の気もちを理解したうえで、実際に自分にはできない、ということを話したということでした。冷静に自分の気もちを伝えることができた、ということに驚いたのを覚えています。

 

●みらいグロースを受けて、変わった部分はありますか?

以前は気もちの切り替えができなかったのですが、それが少しずつできるようになってきました。以前は怒ってプリプリ・モヤモヤしたまま下校してくることもしょっちゅうでしたが、今は「ま、いっか」と気持ちを切り替えることができるようになりました。

お友だち関係も随分落ち着きました。今でもお友だちの輪の中に入れないこともありますが、以前のように怒って帰ってくるのではなく、わたしに冷静に気もちを伝えてくれるようになりました。

学校の先生に対しても「なんで怒っているの?」と聞かれて、毎回ではないけれど、きちんと理由を言えるようにもなりました。

 

●自分の気もちを受け止めたうえで、相手にそれを伝えることができるようになったのですね。

物事が、本当はどうすればいいのか頭では分かるけど、うまくできない・言えないということを、今までいろんな思いをしてきたからこそ言葉として言えなかったのが、言えるようになったのかなと。腑に落ちたのかなと思います。子どもがそこまで考えているということが、母親としても、今回、よく分かりました。

 

●今まではもどかしい思いをたくさんされてきたのですね。

そうですね。だからこそ、悶々としてしまい、怒りのぶつけようがなかったのかもしれません。

 

●他にどんな変化がありましたか?

自信のようなものがついたと思います。運動会の時、リレーのアンカーができたんです!また踊りの時も一番前で踊ることができました。今までなら絶対、そんなことはできなかったです。

それだけではなく、リレーの練習の時、どうすれば速く走ることができるか、足の上げ方をお友だちに教えてあげたようです。リレーの結果はよくありませんでしたが「あいつはよくやった」とお友だちのがんばりを認めてあげることができました。

 

●嬉しい変化ですね!みらいグロースの何が良かったのでしょうか?

そもそも「気持ち」を勉強するって難しいことだと思います。気持ちは表現する人によって、例えば母親、先生、友達、などによっても違いますし、受け取り方もことなります。みらいグロースでは、しっかりとしたエビデンスのある統一した考え方に基づいているので、うちの子どもにも安定感をもって受講できたのではないかと思います。

 

●みらいグロースは日本で初めてSEL(ソーシャルエモーショナルラーニング)をデジタル教材化しました。SELのエビデンスはOECDでも認められています。

そうですね。先生がこのようなことを教えるのも難しいと思います。親が言ってもダメ。前に、ソーシャルスキルを育てる本を読み、かなり熟読して、子どもと一緒にやろうと思いましたが、全然ダメでした。肉親だと、近すぎてダメですね。

あと、みらいグロースに出てくるキャラクターが共感を持てたのかなと思います。心配性のアシスタントが出てきますよね。あれがよかった。自信がないところが、息子に似ているのかも。

 

●気持ちに寄り添えるような設定が、息子さんにはよかったのですね。

以前の息子は、気持ちが入っていない会話、例えば事務連絡のようなことはできたのですが、自分の気もちを入れた会話はできませんでした。照れ、というのもあったと思うし、どのように気持ちを伝えたらいいのか分からなかったのだと思います。

みらいグロースは自分の気もちをいったん受け止めて、それを表現するやり方を教えてくれました。それが良かったのだと思います。自分が感じた気もちを全て相手に伝えていいわけではないということも含め、分かってきたのだと思います。

 

●ありがとうございます。最後に一言、お願いします。

お友だちとの関係で失敗するような時期、3年~4年生くらいの時期に、みらいグロースを実践することで、気持ちを考えるきっかけになると思います。

今の子どもたちは、耳で聞くというより視覚に頼るようなところがあるから、耳で言われて理解できないことも、みらいグロースのような画面を見ながら学習する方法は大きいと思います。

みらいグロースで学んだことを、日常に落としこんで実践していけたらと思います。